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拙者、鬼になり申す

からりと晴れた碧い空に入道雲が立ち昇っている。
今朝の金兵衛長屋は大家が冷や水を振る舞い、賑やかな笑い声に包まれている。

磐音に好意を持っているおきねが矢場の用心棒を頼んできた。
姉思いの幸吉が話を持ち掛けてくれたお陰だ。
磐音は気付いているのかいないのか、いつもと変わらない穏やかな笑顔を残して今津屋へ出掛けていく。



陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙~
第七話『指切り』




今津屋の口添えにより両替商藤屋を訪ねた磐音は、五千両もの不正な借財をなした人物、関前潘留守居役原伊右衛門の名を知ることが出来た。
藤屋の番頭九兵衛によると、江戸家老篠原三左の病気にかこつけて返済を遅らせ藤屋を困惑させているという。
「ご迷惑をおかけしており申す」
自分の非であるように頭を下げる磐音。
その真摯な姿を由蔵はじっと見詰めている。

関前の困窮は変わらないが、求める真実へ一歩近付いた。
「関前にお戻りなされませ。その中で腕を振るわれるとよい」
帰路、諭すように言う由蔵のあたたかい言葉。

磐音の心は揺れている。
関前を離れた自分に出来ることとは一体何だろうと…




おきねの仕事場、矢場の金的銀的は今日も賑わっているようだ。
矢返しの女たちにとって、どんな客にも愛想を振り撒かなくてはならない。
仕事とはそういうものだ。
そんなおきねの気持ちを察して微笑む磐音。
おきねは嬉しそうだ。


金的銀的の主朝次は、近頃出没する矢場荒らし三人組について、磐音に事情を説明していた。

隠居風の男を筆頭に若侍と若い女の三人組が賭け矢を挑み、荒稼ぎをしているという。
矢を射る女の腕前は相当なものらしい。
結改(賭け矢)での賭け金は五十両、浅草あたりの矢場はこの者たちによって何軒も潰されているのだとか。
この東広小路に足をのばしてきた時が磐音の仕事ということになる。


磐音が用心棒として詰めるようになって間もなく、金的銀的の様子を窺っている一人の女。
矢場荒らし三人組の一人、おかるだ。

すいとその場を離れたおかるは、煌めく水面に小船を出し匂い立つような白装束で水垢離を始めた。
何かが狂っているような、どこかに違和感を帯びた異形な艶を放つ姿。



夜更け、長屋に戻った磐音とおきねを磯次が待っていた。
おきねの気持ちを察している磯次は磐音に頭を下げる。
「よろしく頼むわ」
娘を案じる父の顔。
普段はどんなに乱暴な口を利いていても、娘を心配しない親はいない。

「お任せあれ」
頷く磐音の目は、父と娘の普段は見せないお互いへの気遣いに微笑んでいる。




関前に戻るという中居半蔵は、江戸入りしたばかりの主に藩の逼迫した状況を知らせていた。
藩主福坂実高は、急ぎ国許へ戻り国家老宍戸文六の不正を正すべしとの命を中居に与えていたのだ。

そして磐音の父、坂崎正睦の手紙には、磐音たちの悲劇が仕組まれたものであったという疑惑への苦い思いが綴られ「人間我慢辛抱が肝要、いつか必ず」とあった。
それは関前藩の中老としてではなく、ひとりの父としての言葉なのだった。

このまま宍戸派に牛耳られていては、関前藩の未来は混迷の一途を辿るばかり。
藩の行く末を、父の身の上を思い、悩む磐音に中居は告げる。
「国元へ共に参らんか」
友の無念を晴らしたくはないかと。

藩を出た浪々の身ゆえ即答出来ない磐音だが、藩主自ら許しを与えたのだと中居は告げるのだった。




東広小路の矢場、金的銀的。
磐音は店が見渡せる所に控え様子を見守っている。
おきねを指名した客はなんと品川柳次郎だ。
ちょくちょく顔を見せているらしい。
柳次郎のお目当てがおきねだと知っている女たちにからかわれて焦る柳次郎。
磐音の仕事が矢場の用心棒と聞いて目を丸くしている。


そこへ新たな客が入ってきた。
明るい矢場の雰囲気が一瞬にして張り詰めたものに変わる。
矢場荒らしと目される三人組が現れたのだ。

若侍、隠居風の年寄り、小粋ななりをした若い女、おかるだ。


主を呼び出した三人組は、双方五十両ずつ百両総取りの勝負を挑んできた。
断れば、矢場の名折れ。
看板を持ち去ると脅され、勝負を受けるしかない朝次。

「さぁ、誰が相手だい?」
自信たっぷりに弓を試しているおかるの様子に、矢返しの女たちは震えている。
客に愛想をふりまくのも矢場で矢を射るのも家族のため、平和な暮らしのため。
化粧をして気丈に振舞っていてもごく普通の娘たち。
賭け金が高すぎるのだ。

「親方、私がやります」
そんな中で声を上げた者がいる。
おきねだ。
おきねは、大きな瞳に覚悟を秘めて唇を引き結んでいた。


勝負は20本ずつ200本、交互に矢を射る。
1本でも多く的に命中させた者が勝ちとなる。

片膝を立て流れるような仕草で矢を射るおかるはかなりの名手のようだが、おきねもバラつきはあるもののよく集中し命中させていた。
ほぼ、互角の腕…と見えたが。


勝負に動きが出た。
それぞれ100本目に入った頃、全く乱れないおかるに対し、おきねの精神力が途切れ2本外してしまったのだ。

「ここにてしばらく休息をとりやす」
親方の言葉に悠然と茶を飲むおかる。


矢場を出ると、いつの間にか日は落ち月明かりに波が煌いている。
川のほとりにひっそりと佇むおきねの名を磐音が優しく呼ぶ。
振り向いたおきねの大きな瞳が今にも泣き出しそうだ。
「もう射てない」

大金を失う恐れに「怖い」と縋るおきねを磐音は励ます。
「自分を信じるのです。」
「諦めたらそこで仕舞いとなります」

どんな相手でも全力でぶつかれば活路は開ける。逃げてはいけないと、おきねの目をひたと見詰め明るく言い聞かせる磐音。

しばらく目を伏せ逡巡したおきねは、自分を奮い立たせるように頬を叩き、もう一度勝負に臨む決意をして店に戻っていった。

磐音の言葉をそばで静かに聞いていた柳次郎を振り向き、「しばらくここを頼む」と磐音は突然走り出す。
飛び込んだのは今津屋だった。
吉右衛門に手をついて、何かを願う磐音。
おこんもそれに倣い、二人で頭を下げるのだった。


金的銀的では、結改の勝負がついていた。
2本の差は縮まらずおかるの勝ちとなり、矢場荒らしたちの二百両総取りとなってしまった。


意気揚々と両国橋を渡る三人をおきねが必死で追ってくる。
「お金を返してください!そのかわりにあたしを吉原にでも何でも売って下さい!」
おきねの覚悟を鼻で笑い邪険に突き放す男。
後から追ってきた朝次がおきねを止める。
「もういいのだ」と。


その時、月明かりを背に一人の侍が現れた。
「てめぇはなんだ」
「それがし、東広小路の矢場13軒の用心棒でな。おきねさんを苦界に沈ませるわけには参らぬ」
穏やかな笑顔でそう言った磐音は、小判五十両を手に剣の勝負を誘いかける。
「三人にても構わぬがいかがかな?」

静かに橋の中央に立つその姿には殺気の欠片もなく、爽やかでのどかな風情さえ漂っている。
ゆったりと刀を抜くと、上段からいつもの居眠り剣法の構えを取る磐音。

矢場荒らしの若侍は居合いを得意としているのか、磐音に目を合わせたまま、こちらもゆっくりと刀に手をかけぴたりと静止する。

駆けつけて来たおこんも見守る中、あたりは薄い靄に包まれ、月光が密やかに射し込むばかり…

無音の中、若侍の袴を風が揺らした瞬間、居あい抜きの剣が磐音に襲い掛かる!
磐音は相手の刀を掬うように払い上げ、切っ先を叩き折っていた。
一瞬で決まった勝負。

喉元に差し当てられた磐音の包平に身動きもならない男。
「戦場なら既に死んでおる」
磐音の厳しい顔にがっくりとうなだれている。
「この礼は必ずさせてもらう」との捨て台詞を残して去る矢場荒らしたち。


緊張の糸が切れて泣き崩れるおきねを柳次郎に託し、おこんとともに今津屋に取って返す磐音だった。
磐音が刀勝負に使った五十両は今津屋から借り受けたもの。
おきねが万が一負けた時、剣の勝負で取り返すつもりだったのだ。



矢場荒らしの一件も解決し関前に戻るという磐音に、おこんの心は切ない。「このまま奈緒さまを放っておかれる坂崎さんは私は嫌です!」
そうは言ったものの本心は淋しいに違いない。

磐音の気持ちと奈緒を思い、「どんなひとなんだろう。綺麗な人なんだろうな」と呟くおこんをお艶はあたたかく励ます。
「あなたも綺麗ですよ」


今津屋の由蔵からは、藤屋から借りた関前藩の五千両の証文写しと添え書きを餞別だと渡される。
事が成就すれば藩への帰参も許されるだろうと言う由蔵を遮り磐音は「必ず江戸へ戻って参ります」と二人に告げるのだった。



まだ夜も明け切らない早朝、井戸端で磐音に礼を言うおきね。
「でも、最初から負けると思ってたんでしょ?」
ちょっと甘えるような言葉。
おきねは「今度の休みに付き合って」と。
礼をしたいからと磐音に頼んでいた。

磐音にはやらなければならない事が待ち構えている。

関前に一度戻るという磐音に驚くおきね。

「必ず戻ってきます」
「ほんとに本当に帰ってくる?」
「じゃ、約束して」
「必ず」

磐音の手をそっと取りおきねは小指を絡めて歌う。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」
おきねの顔はまるで少女のままの無邪気さ。
この笑顔が歳相応の素顔のおきねなのかもしれない。

しかし磐音の笑顔はふと貼りついたように静止する。
耳に聞こえてくる波の音。
奈緒と関前で交わした約束の情景が磐音の目に浮かんだのだ。

江戸へ発つ前、必ず戻ると。
待っていてくれと涙顔の奈緒と指切りをした海だ。

はにかむおきねの笑顔に重なる淋しげな奈緒の泣き顔。
「指切った」
磐音の心は遠く関前へと飛んでいたのかもしれない。



朝の日差しが差し込む戸口で磐音は金兵衛と話している。
淋しくなるなと肩を落とす金兵衛。
「二月もすれば戻ります」約束する磐音。

そこへ、松吉の叫び声が聞こえる。
「おきねが殺された!」と。



おきねの亡骸を前に泣き崩れる磯次と幸吉。
長屋の者はみんな、朝次もそして地蔵の親分もおこんも傍にいてただ泣くしかない。
なぜこんなことに…
誰の胸にもその思いが渦巻いて声をあげさせていた。

地蔵の親分によると、矢場へ向かう途中三人組に襲われたというのだ。
前後からいきなり斬り付けられあっという間に命を奪われたのだと。

磐音の胸倉を掴み「任せろって言ったじゃねぇかよ!!」怒りと悲しみに繰れる磯次。
磐音は、されるがままになりながら、ただじっとおきねの顔を見詰め歯を食い縛っていた。

今もおきねの声が耳に残っている。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」



笹塚の元を訪れた磐音は、矢場荒らしの情報を掴んでいながら野放しにしていたと怒りを露にし、笹塚を睨み据えて言い放つ。
「それがし、鬼になり申す」

西本願寺をねぐらにしているという情報に、矢場荒らしの仲間割れで殺されたとなると構わぬと、仇討ちを焚き付ける笹塚。

「あいわかった」
刀を手に立ち上がった磐音の元へ柳次郎も駈け付けて二人は走り出す。
夜の闇を敵の元へ!

寺の境内で火を熾し休んでいる矢場荒らし三人組。

その前に現れたのは、もはや居眠り磐音ではなく。
怒りに狂った男。
「おぬしらだけは許さん!」

叫び声を上げて殺到する死の刃は、一撃で三人の命を奪ったのだった。

息を弾ませその場に立ち竦んだままの磐音を見て、笹塚は囁くように竹蔵に言う。
「居眠り剣法を怒らせると怖いのう」
したたかな与力は矢場荒らしたちが稼いだ金を奉行所の探索費用に組み入れる心積もりだ。


抜き身を鞘におさめることも忘れ呆然と立つ磐音の目には、松吉が矢場荒らしを足蹴にする姿と悲痛に叫ぶ柳次郎がただ映っている。
そこには既に怒りの色もなく、涙がにじむ目を上げた夜空に、星がひとつ流れ落ちていった。




翌朝早く、長屋には旅支度を整え三柱の位牌の前で手を合わせる磐音がいる。
そこへやってきたおこんは、おきねの仇を討ってくれたことへ涙ながらに礼を言うのだった。

仇を討ってもおきねは帰らない。
後悔と悲しみ。
磐音の心が晴れるのはいつなのだろう。
しかも、これから向かう故郷には大きな苦難が待ち受けているのだ。


戸口を開けると、幸吉が叫ぶ。
「浪人さんも行っちまうのかよ!」
磐音は、微笑んで。
「必ず、必ず戻ってきます、師匠」
と約束した。

「ほんとよ、ほんとに帰ってきてね」
「約束したんだろ、おきねとよ」
「鰻割きの仕事ちゃんと空けておきますよ」
「あたいが生きている間に戻ってきておくれよ」

長屋の人々のあたたかい心に磐音はいつもの笑顔を取り戻し
「はい」とはっきり答えるのだった。


幸吉の叫ぶ声とおこんの涙顔。
磐音には、帰ってくる場所がここにある。


江戸を後にし、一路豊後関前の故郷へ。

藩主実高と、父正睦。そして奈緒。
大切な人々が待つ地を目指し、急ぐ磐音だった。





はい。
また長くなってしまいました(^_^;)
居眠り磐音はエピソードがたくさんあり過ぎて、しかもどれも大切なものですから纏めるのは難しいですねぇ。
佐伯先生の頭の中はどうなっているんでしょ☆

やはり旅をして、その土地の空気を感じ取っていないと本当の文章は書けないものなんでしょうね。

今、原作の17巻目に入りました。
面白くて止められない…毎日寝不足です。
関西はまだ昼間は暑いので夏バテの身体に寝不足は堪えます~
もはや、居眠り磐音中毒といったところでしょうか(@_@;)

7話。
おきねちゃんの悲劇はわかっていたことだけど、幸吉くんのお姉さんという設定がドラマを益々辛くしていました。
磐音にとっても長屋暮らしで何かと助けてくれていたおきねちゃんへの思いは深いものがあったと思います。

普段穏やかな人が怒ると、もの凄く怖いもの。
居眠り磐音を怒らせると本当に大変です。


橋の上での立ち合い。
光を背負って現れた姿が印象的でしたね。
おもわず「来た~!!」と叫んだ私。

そして今回も光の扱いが粋です。
小船で中居さまと話す時のゆらゆらと揺れる光や、 屋内と外の空気の密度の違い、季節と時を感じさせてくれる光の色合いにいつも綺麗だなぁと感心しています。

おかるさんも妖しい美しさが良かったですね。
とっても色っぽかったです。
対するおきねちゃんの純粋さが際立って見えました。

そしてやはり磐音さまです。
目の色で全てを語るって…

おきねちゃんとの指切りのシーン。
笑顔だった磐音の顔がほんの少し目を見張るだけ、口元を下げるだけ、そのちいさな表情の変化だけでなんて多くのことを語るのだろう!とびっくりしてしまいました。
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by aquadrops | 2007-09-26 15:16 | TV | Comments(2)

己の信じた道を進むがよい。

佐々木道場。
数人の門弟たちを相手に乱稽古に励む磐音の額にはうっすらと汗が光る。
無駄な動きのない磐音の竹刀捌き。真夏の朝稽古だが誰一人手を抜く者はない。


道場を辞し、静かな面持ちで向かい合う磐音に、道場主である佐々木玲圓は言う。
「己の信じた道を進むがよい」
あたたかな師の眼差しには、痛手を乗り越え深みを増している弟子への信頼と安堵がある。

関前での騒動を風の便りに聞き、一人潘を離れた磐音をどれほど案じていてくれたのか。
何も聞かず、その剣を見定めることで信頼を預けてくれた師の想いを心に刻み磐音は道場を後にする。


陽炎の辻 ~居眠り磐音 江戸双紙~
第六話『宵待草』




煌く明るい日差し、蝉の声。
金兵衛長屋の夏の朝だ。

「鰻の精進日」ということで鰻割きは休み。
磐音が女たちの話の輪に入ると、長屋の入り口が何やら騒がしいのに気付く。
新しい住人のようだ。

真っ当な人間しかいないはずの金兵衛長屋の新しい住人は、化粧も華やかな色を感じる女、お兼。
しかも柄の悪い男たちの連れと一緒で、長屋の住人たちは大いに不満気だ。
そんな住人たちに突つかれ、愛想笑いも引き攣り気味の大家は困り顔で磐音に泣きついている。

様子がおかしいのはもう一人。
磐音の長屋暮らしの師匠、鰻捕りの名人幸吉だ。
お兼の部屋の前をうろうろと落ち着かなげに覗き込んでは叱られている。
お兼の面差しが幸吉の死んだ母親に似ているらしい。

いつもと違う剣呑な長屋の雰囲気を気にしつつ、磐音は今津屋に向かった。



今津屋からの呼び出しは、屋根船の用心棒の依頼。
「両替屋行事」に就任した主の吉右衛門がお披露目に屋根船を仕立て花火見物に乗り出すというのだ。
客には南北奉行所の面々、勘定奉行所の金座方、与力の笹塚などの顔ぶれが揃うため、今津屋としては不手際があってはならない。
大小の船が行き交う大川での花火見物にはなにかしら揉め事がつきものなのだとか。
磐音は貧乏御家人の次男坊、品川柳次郎とともに一日用心棒を務めることになる。

用心棒とはいえ花火見物の夜だからと、浴衣をあつらえてくれるとのおこんの申し出に嬉しそうな二人。
柳次郎は浴衣姿でおきねと見る花火を夢見ている。



風に揺れる干ぴょうの影が細長く縁側に落ちている。

品川家を柳次郎とともに訪れた磐音の手には土産の酒。
障子を開け放ち、内職に精を出していた様子の幾代は、磐音の訪問をいつもと同じ笑顔で迎えてくれる。
穏やかな夏の夕暮れ。
金鍔談義に貧乏暮らしを嘆く親子の表情は、やはり明るい。

そして親の思いはいずこも同じなのか。
遠く離れた母を、幾代と柳次郎の労わり合う姿に重ね、御家人の矜持を守りつつも市井での日々を逞しく生きる友の家庭を好ましく思う磐音だった。



夜も更けて、住人たちが寝静まっているはずの刻限、騒ぎ立てている者たちがいる。
眠りを妨げられた磐音が外に出てみると、お兼の迷惑な客たちだ。
苦言を呈した大家を小突いてやりたい放題の男たち。

「この金兵衛長屋は朝の早い住人ばかりだ。すまぬが宴会は打ち切りにしてくれぬか」
静かに諭す言葉など見向きもせず刀を振り回す者どもを、磐音は素手であっさりと片付け追い払った。

一方で、隣人たちの迷惑など気にもせず平然としているお兼は何を考えているのかよくわからない。にこやかに片付けを始める姿に、住人たちはただあっけに取られて見詰めるだけだった。



二晩続けて品川家で楽しい時間を過ごした磐音は川沿いの道を長屋に向かってのんびりと歩いている。
月明かりを受けて揺らめく川。

だが静けさを破る物音が。
男女の諍いに出くわしたようだ。

付け回されて困っていると言う女。
痴話喧嘩だと言う男。
言い分は食い違っているものの乱暴は捨て置けず、匕首を閃かす男から女を助けることに。
庇った女の顔をよく見れば、長屋の新しい隣人、お兼だった。

帰る道すがら、礼をさせてくれというお兼に磐音はある頼みごとをする。


翌朝、鰻捕りの名人である幸吉が収穫を肩に背負い宮戸川への道を歩いていると、お兼が優しく声をかけてきた。
捕れた鰻を見て驚くお兼の明るい声。
母子のような楽しいひと時に、いつもは大人びた幸吉の目が嬉しそうだ。

母の面影を重ね合わせている幸吉に優しくしてやってくれ、という磐音の頼みをお兼はちゃんと覚えていてくれたのだった。



お兼と揉めていたのは、元亭主の丑松だと地蔵の親分が知らせてくれた。
丑松は罪を犯し、江戸十二市町所払いの沙汰を受けているという。
物騒な男。自棄になって何をしでかすかわからない。。
お兼をめぐる騒ぎはまだ続きそうだ。



長屋に戻ってきた二人を待っていたのは、女たちの冷たい視線。
「あの女、旦那のおまんま作ってましたよ」
「さぞかし美味しいだろうね」
女は怒ると恐いというが、おきねには声を掛けても無視される始末で、誤解とはいえ居心地悪いことこの上ない。
心尽くしのお兼の膳を見ても、ため息しか出ない磐音だった。



長屋騒動の中、藩の方でも動きがあり、心の休まらない磐音だが、密かに中居半蔵の呼び出しを受け佐々木道場へと赴く。
中居半蔵は、関前藩御直目付けの要職にあり藩主の信頼も厚い。
だが、磐音が出奔したのち修学会を潰し、宍戸派の茶会にも顔を見せていた。
伊織殺害の黒幕もまだ掴めてはいない、今。
磐音は、その真意を正面から問い質す。
「中居様の忠義はどなたに対して第一となさいますか」

中居の言葉は明確だった。
「知れた事、殿ただおひとり」
「磐音、この中居を信じろ」
修学会を潰したのも、宍戸派の目を逸らすためなのだと。

「信じます」
磐音は答える。

そして、伊織の死と隠された関前藩の新たな借財について、全てを仲居に告げる。

一方で中居から知らされたのは、関前藩主実高の江戸参府後、国家老宍戸文六の企てにより、磐音の父坂崎正睦が「不正の噂あり」として閉門蟄居の憂き目にあっているという事だった。

「坂崎、力を貸せ!」
「小林琴平、河出慎之輔、上野伊織、この者たちの死を無駄には出来ません」

父の苦境を知り中居の決意を信じた今。
縁を切ったはずの藩の為、亡くなった友のため。
険しく苦しい道が待ち構えているだろう藩政改革へと、磐音は足を踏み出したのだ。


まずは、藩を危機に陥れた愚行を探るべく、今津屋の番頭由蔵に頭を下げ、磐音は頼む。
不正な借財をした関前の者の名の手掛かりを求めて。



おこんのあつらえた浴衣は落ち着いた色合いで磐音に良く似合っている。
磐音と一緒に屋根船から花火を見てみたいというおこんに「はい。いつか」と微笑む磐音。
「嘘つきは泥棒のはじまりですよ!」
おこんは嬉しさを隠せないが、心の中では諦めているようでもある。

夕暮れの縁側ではお艶と吉右衛門もまた「来年の花火は二人で見よう」と慎ましい約束を交わしていた。
身体が弱く、あまり表に出て来れないことを引け目に思っているお艶。
そのせいか、二人にはまだ子供がない。
約束を違えないでほしいとお艶は言う。

叶うのはどちらの約束なのだろう。
誰にも見えない未来への小さな夢。



金兵衛長屋では、お兼の切れた鼻緒を幸吉が直し、おそめと三人で楽しいひとときを過ごしていた。

子供たちの花火の話に目頭を潤ませるお兼。
不思議そうに見詰める二人。
お兼は子供を幼くして亡くしているのだ。

誰しも、抱えている哀しみや辛い思い出があるものなのだろう。




大川の花火大会も終わった夜更け、艶やかな浴衣姿のお兼に声を掛けたのは幸吉の父磯次。
磯次も亡くした妻に似ているお兼を放っておけず、真っ当に生きてくれと優しく言うのだった。

だがそこへ待ち伏せしていた、お兼に付き纏う乱暴者たち。
お尋ね者の丑松までもがやってきて、乱闘になる。

お兼は、心を新たに生きたかったのかもしれない。
丑松にも真っ当に生きて欲しかったのかもしれない。
復縁を迫る丑松に刺されて倒れたところへ、用心棒帰りの磐音たちが通り掛かる。

やくざ者たちに刺された丑松の亡骸と瀕死のお兼。
幸吉への気遣いに礼を言う磐音にお兼が望んだものは、まだ失われていなかった丑松への思いだった。




今津屋の働きで黒幕の手掛かりが掴めることになり、友の位牌に告げる磐音。
「必ず、我が関前藩を建て直してみせる」

よぎる奈緒の面影を胸の奥に仕舞い込み、磐音はその時を静かに待つのだった。




さて、第6話。
今回も様々なエピソードが織り込まれ、あっという間の45分間でした。

大川での花火など、もっとじっくり見たいなと思わせる部分が多いのですが、11話で完結させるには難しいところ。
脚本や演出の方もさぞかし苦労されているのではと思います。
まぁ、細かな部分は続編に期待することにします。(勝手に続編があると決め付けてますが

1年経った長屋の暮らしですっかり頼りにされている磐音さま。
女の人はどこでも一緒ですね。

品川家の母上様。
なんて味のある人なんでしょ♪
原作の幾代さまとは少し雰囲気が違いますけど、私はこの品川親子を見ていると心が和みます。
貧乏を嘆いていても品を忘れず。
息子と母のやり取りのなんと温かいこと!
磐音さまでなくとも、二晩続けてお邪魔したくなるでしょう(*^_^*)

幾代さんと過ごした楽しいひとときに母を夢見る磐音さま。
母を思う一人の息子でもあるのですよね。


浴衣が似合う磐音さま。
おこんちゃんとの花火見物がいつか出来るといいですね。


今回のタイトルである「宵待草」
調べてみると、この名の植物はないようです。
上の「オオマツヨイグサ」あるいは下の「月見草」が主にそう呼ばれているのだとか。
どちらも、宵闇迫る頃合から咲きはじめ、翌朝日が高くなると萎んでしまう。
夜から朝にかけて咲くなんて、なんとなく儚げな花ですね。
お兼さんの不器用な生き方になぞらえたのでしょうか。
ただ、月見草には外国産の「ヒルザキツキミソウ」なる物もあり、これは昼間にも咲いているのだそうです。
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by aquadrops | 2007-09-20 15:26 | TV | Comments(0)

これも運命にございます

毎度おなじみ金兵衛長屋。
障子越しの柔らかい光の中無心に眠るのは、坂崎磐音その人である。

関前潘を出奔し、今は何物にも縛られぬ気ままな浪人暮らし…のはずが、生来の青竹のような生き方が常に厄介事をしょい込む羽目になる江戸の暮らしなのだ。

そんな静けさを破るのは戸口を叩く無粋な音と大家の呼び声。
「鰻割きは休みかい!」
飛び起きる磐音。
外はすでに明るい。
「行って参ります!」
腰に刀を差し落とすのももどかしく慌てて走り出す。

長屋の前は箒や桶を手に襷掛けの女たち。
一日はもうとっくに始まっていた。


第五話
『戦いの序章』



宮戸川の鉄五郎親方の元で鰻割きに精を出す。
日当は七十文と安いが、浪々の身には大切な仕事だ。
鯔背で情に篤い親方とひょうきんな松吉らと腕を振るう早朝の一時は、今の磐音にとって日々の糧であり生きるよすがともいえた。
そして鰻割きの後は「地蔵湯」で朝風呂に浸かり、鰻の生臭さと疲れを落とすのが磐音のささやかな楽しみなのだ。



いつもと同じ長閑なようすで長屋に戻ってきた磐音。
だが待っていたのは、一通の名のない手紙と煙草の香。

「すでにお家に関わりなき身をもって家中のことをあれこれと探ること無用と知るべし」
「貴殿、許婚奈緒殿未だ関前にあること忘るべからず。」

関前藩有志、とその投げ文にはある。
明らかな脅し。
伊織も、宍戸派から呼び出しを受け磐音との関係を詰問されたという。
長屋を荒らした者の意図、姿を現しはじめた悪意の影。
伊織が示唆したとおり、磐音の周囲で何かが蠢き始めていた。



胸に溜まった澱を晴らそうと磐音は神田三崎町にある佐々木玲圓の道場で汗を流す。
師との稽古は厳しく激しい。
炎のような師の剣と春風のごとき弟子。
目を見張る門弟たちの前で剣のみに集中するひととき。


磐音の居眠り剣を「新たな域を得た」と評してくれた佐々木玲圓にただ静かに頭を垂れる。
浪々の身となっても剣とともに生きるしかない磐音なのだ。


道場の門前で鉢合わせた入来為八郎は、修学会の同志であり直心影流の兄弟子にあたる男だ。
親しげに言葉を交わしたあと、突然殺気を放ち背後から斬り付けてきた入来からは煙草の香が…
悪ふざけだと笑顔で謝罪するその目は少しも笑ってはいない。
身近な者ですら敵か味方かわからぬ恐ろしさ。
伊織の身もただ案じるしか道はない。



南町奉行所与力笹塚孫一の呼び出しを受けた磐音は「大判」にまつわる高名な旗本の悪事を聞かされる。


旗本弓場家から質商宝屋に質草として持ち込まれたのは、帝の箱書きのある曰く付きの「慶長笹垣大判」
持ち込んだのは弓場播磨守雪岳の手の者だ。

この用人は大判を担保に多額の金子を借り入れては、利息をきちんと支払って買い戻すということを何度か繰り返し、質屋が油断した頃を見計らって隠していた牙を剝いたのだという。


半年ほど前のことだ。
箱に入っているのをいいことに、売り払う直前「先祖に手放す不義を詫びる」と言って大判をこっそり偽物に摩り替え、質屋に差し出す。
そして買い戻すためと再び呼び付けた質屋の前で箱を開け、「これは偽物!」と騒ぎ立てていたのだ。

驚き慌てた質屋が必死に言い募っても、耳を貸すどころか激怒した弓場雪岳は「成敗する!」と刀を振り翳し怒鳴り散らす始末。
金子の返却も受けられなかった上に三百両もの詫び金を支払わされた宝屋の番頭は、絶望して自ら命を絶ったのだった。


家柄を傘に着た上、尊い帝の箱書きまでも悪用した行為はたとえ旗本でも許されるわけもない。
しかも弓場雪岳が多額の金子を必要としているのは、妓楼丁子屋のおいらんを身請けしたい為とまで調べはついていた。

そこで磐音たちは一計を案じる。


弓場雪岳の舅、津田石見守定鉦の屋敷を町奉行松野の名代として訪れた二人の武士。
一人は笹塚孫一、残る一人は磐音だ。

気性の激しい津田石見守定鉦の前で磐音は全てを隠すことなく話し、雪岳を隠居させ弓場家の年若い嫡男に家督を譲らせるべきであると説く。


定鉦の了承を得た磐音と笹塚は、弓場の尻尾を出させるため、「今津屋が珍しい大判を集めている」という噂を流して待ち受けることになった。



今津屋の番頭として弓場家に乗りこむ手筈のため、髪を綺麗に結い直してもらう磐音。
午後の縁側。
寄り添うおこんははしゃいでいる。
お艶に「大店の若夫婦のようだ」と言われて微笑みあう二人。
束の間、安らいだ時間が流れていた。



夕刻、弓場家の用人が今津屋を訪れ、居丈高な鼠が罠に掛かったと知れる。
用人は大判を担保に千両を借り受けたいと申し出て来た。


翌日、重たげな千両箱を担いで弓場家に若い番頭がやって来た。
供は小柄な体を反らせて立つ妙に態度の大きい大頭。
もちろん、磐音と笹塚だ。

弓場家の主と用人が、罠に気付くことなく茶番を繰り広げてみせる。
なんの迷いもなく偽物とすり替えた所を逃さず大判をあらため、悪事を白日のもとに晒した磐音は、弓場雪岳を見据え、千両箱を開けてみせる。
中に入っていたのは石礫。

「不埒にも朝廷と権現様のお名を騙って偽の大判で一稼ぎしようなんて旗本が聞いて呆れるぜ!」
笹塚の威勢のいい啖呵が城内に響き渡る。

見苦しく抵抗しようとした雪岳を叱責し、津田石見守定鉦は自ら腹を切って詫びようとする。
武士とは、侍とは何なのだろう。
年老いてまだ高潔な旗本の哀しみを残し、弓場家の嫡男に未来を託すことで一件は落着したのだった。




今津屋に戻った磐音のもとへ関前藩中間頭の娘、野衣が伊織の手紙を持参する。
伊織は身辺が危険なため、外出もままならないのだ。

「あのお方、上野さまのいい人なのかしら」
「きっと上野さまの許婚よ」

「許婚」という言葉に一瞬目を伏せて哀しげな横顔を磐音は見せる。
おこんはその心情が手に取るようにわかるのだろう。
冗談めかした言葉で、磐音の心を辛い思い出から逸らそうとしているようだ。



ある夜、宍戸派の踏み絵ともいえる茶会が催される。
上野伊織はその隙にお文庫に忍び込み、宍戸派の不正な借財の証拠を必死で探していた。
その背後から鯉口を切る音が…


金兵衛長屋近くの川から上げられたのはざんばら髪の侍の亡骸。
関前藩勘定方、上野伊織だった。
「それがしの知り合いにござる」
磐音はそうひとこと告げたまま、伊織の顔をただじっと見詰めていた。


訪ねてきた関前藩中間頭の娘、野衣は毅然と面をあげている。
武家に生まれた者の覚悟がまだあどけないその顔を彩ってはいる。
伊織とのことを聞かれ、はっきりと告げる声。
「行く末を誓い合うた中にございます」
「これも運命にございます」
そう言うと、声を殺して泣き伏せる。
磐音はただ黙ってそこにいるだけだ。

その細い背は、同じように泣いていただろう奈緒の面影と重なったのか。

運命。
またしても引き裂かれた絆。




闇に沈む竹林で磐音はひっそりと刺客たちを待ち受ける。
伊織の命を奪った者。
入来為八郎と黒高知乾山だ。

深く静かな怒りを目に宿し、磐音は問う。
「上野伊織を亡きものにしたはおぬしたちであろう」

「すべてはお家のためじゃ」
自らの仕業と認めた入来は関前の未来をどう思い描いていたのだろう。

まばたきもせず見据え、磐音は言い放つ。
「許せぬ」
「ならば我もまたお家のため、ご両者の命貰い受ける」

月明かりと提灯の頼りなげな灯り。
磐音は、いつもの穏やかな守りの剣を捨て去り、自ら前に出る。


「磐音、関前藩を頼むぞ」
倒れた入来に重なる伊織の言葉。


有為な人材を無益に失う関前の行く末は暗澹としている。
青空を見上げる磐音の目に、いつしか強い意志が宿っていた。





はい。
すっかり遅くなってしまいました。
しかも説明部分が長い~!
うまく纏められなくてすみません(>_<)

この「居眠り磐音」の特徴として、関前藩の陰謀、長屋の人情劇、今津屋関係の事件ともうひとつ、切ない恋物語、という4本もの軸があることが挙げられます。
この軸は互いに絡み合い相乗効果を生み出して、それぞれのエピソードに見事なメリハリをつけています。
つい必死になって引き込まれてしまうという今の私の状態を作り出している大もとです。

それに、磐音の穏やかな性格、反して凄絶でさえある剣。
強い意志とまっすぐな生き方と、素朴で純粋な一面。
磐音のもつ様々な顔も物語の大切な色あいなんですね。


この第五話、運命(さだめ)という言葉で納得することなど出来ない、認めたくはない、 引き裂かれたいくつもの絆を描き出していました。

伊織と野衣、そして磐音と奈緒もまた。


野衣さんの芯のある演技、とっても良かったです。
つぶらな瞳に涙をいっぱい溜めて、それでも言い切ったところ、たまらない気持ちになりました。


弓場雪岳の屋敷で戦う前に名乗りを上げた磐音。
誇らしげに名乗った姿はいつもの控え目な磐音とは全く違っていましたね。
気迫と目の輝きに度量の大きさが滲み出ていました。

もうひとつツボだったのは、笹塚様が磐音の供の者として町人姿で乗り込んできたところ。
妙に態度がデカイのが服装と合ってなくて楽しかったです。


竹林での戦い。
居眠り剣法が待ちの姿勢を捨て、意思を持って入来たちの命を奪った。
これは、磐音の宍戸派への宣戦布告なんですね。
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by aquadrops | 2007-09-09 00:19 | TV | Comments(2)

朝日新聞 be on Sunday

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ヘドの興奮が冷めず、日曜日はすっかり夜更かし。
であちこち見て回ったあと、夜中に思い立って陽炎の辻5話をじっくりと見ました。

月代にあの白地の着物、似合っていますね。
生まれついての若様のよう。
関前藩の中老坂崎家の嫡男、坂崎磐音その人に身も心も成り切っているのですね。


この人は、今週末「THE LAST FIVE YEARS」の舞台に立ちます。
たった二人きりの全編歌のみのミュージカル。
「陽炎の辻」撮影と平行しながら稽古に入り、合間にドラマ「眉山」の撮影もしていたそうです。

そして、来年の春には再びあのドラァグクイーンに変身するのですね!


これほど違う役どころを立て続けに演じるのは、俳優としての醍醐味なのかもしれません。
でもきっと精神力も体力も相当必要なはず。
苦しくとも高みを目指して駆け上がる、そのストイックな挑戦者ぶりにはファンとして頭が下がる思いです。
ただ身体にだけは気をつけてほしいとだけ願いつつ、遠くから見守っていきたいと思います。

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さて、日曜日の早朝4時過ぎ。
むっくりと目を覚ました私。
本当に目が覚めたんです。
よっぽど気になっていたんでしょうねぇ(^_^;)
というのも…
この朝日新聞日曜版を見たかったから!!

そしてパジャマのままこっそりと玄関を出てポストに向かいました~
怪しい…怪しすぎる!
新聞を見るのにドキドキするなんて馬鹿みたいですけど。

柔らかく額に掛かった前髪の下から黒目がちの瞳がじっとこちらを見ています。
一瞬日本人に見えませんでした。
机に肘をつきこちらを見詰めているジェイミーがそこにはいました。
これはL5Yの稽古場のようですね。

この日曜版のインタビュー記事。
いつも写真がとてもいいので、そのうち載らないかな?とずっと楽しみにしていました。
紹介文も簡潔であたたかい視線が嬉しい。
耕史くんの名前をもじり「根を強く張る田を耕す歴史を積み重ねているよう」と洒落た評を載せてくれています。


インタビューは「陽炎の辻」磐音のこと。
「なんて優しい男なんだと思います。男から見ても格好いい。強いしね」

磐音を演じるにおいて。
「磐音の秘めた力は周囲に丁寧に反応することで初めて伝わると思ったから」
あえて「何もしない」のだと。

いつものようにドラゴンボールの話も出てますね。

L5Yを目前にして舞台については。
「自分のすべてをさらす舞台はボクの核であり筋トレの場です」
と言っています。

いつも目指すものは不変なんですね。
NHKのドラマで主演するようになっても、言っている言葉は少しも前と変わらない。
そんなところがまた魅力的だなと思います。
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by aquadrops | 2007-09-04 19:08 | Stage | Comments(0)

2008年4月、新宿FACEに新たな伝説が生まれる!

やりましたね!
やはりやってくれました!!

「きっとやるだろう」
と、耕史くんの磐音さま番宣土スタでの微妙な間で確信していました。
(正直者ですねぇ)
でもまさか、こんなに早くこのニュースを聞けるとは…


2008年4月4日。
ロックミュージカル 『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』
山本耕史主演! 新宿FACE上演決定です!


ヘドを愛する皆さん!
またキュートな彼女に会えますね(*^_^*)

熱くて優しくて、一生懸命で、健気で可愛くて、強くて弱くて、なんて愛しい。

山本ヘドウィグが私たちのもとへ装いも新たに帰ってきます~!!


はい。
落ち着いて~☆☆
深呼吸~(@_@;)
すーはー

すみません。
ヘドウィグのことになると、どうしてこんなに必死で余裕がなくなるんでしょうねぇ。

人間の弱いとこや汚れたところ、キレイじゃない部分さえ曝け出してしまう圧倒的なパワーと誰かを愛する気持ち。
人として生まれたからこそ知り得る、そんな感情に突き動かされて魂を持って行かれるのでしょうか。

「ヘドウィグ」を知らない方にも、この機会にこの稀有なロックミュージカルに出会っていただけたらな!と思います。
見た目の奇抜さや性のタブーなんて、ただのフェイク。
耕史くんが2007年の公演前に言っていたのはそんな言葉でした。

フェイクに騙されない、ほとばしる魂の色を!



さて、2008年版ヘドウィグの気になるキャスト。
イツァークには韓国人シンガーのソムン・タクさん。

韓国でかなり著名なロックシンガーの方ということで、賞もたくさん受けておられます。
日本でもアルバムが何枚か出ているようですし、ミュージカルや映画など、多彩な活動をされてますね。
歌唱力、演技力ともに実力派という感じです。
年齢は耕史くんより二つ下ということで年も近いし、オールマイティーな部分が似ているように思います。
期待大ですね!!


そして、さっそく公式HPが出来ています☆
早い~♪♪

まだトップページのみですが、衣装が違います!
これは最近撮影したんでしょうねぇ~

2007年版のヘドよりダーティーな印象ですが、みなさんどうですか?
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by aquadrops | 2007-09-01 21:10 | Stage | Comments(5)