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民びとは懸命に生きており申す

朝餉が終わった時分だろうか、急ぎ足で長屋を訪れたおこんを呼び止めるどてらの金兵衛。
「折角来たのに父親の顔も見ずに帰るのか」と何やらご立腹の様子。
そんな父に構ってられないとばかりの娘。
柔らかな日差しの中、大家親子のちょっと可笑しな攻防と、おきね、幸吉姉弟と父磯次の親子喧嘩が始まって住人たちは大騒ぎ!

金兵衛長屋に今日も賑やかな一日がやってきた。


第四話 『策謀』



長屋の騒ぎの中、磐音はといえば…
そこだけ時が止まってでもいるかのように、まるで菩薩のような安らいだ顔で静かに眠っていた。


おこんの用は今津屋の番頭由蔵の供をして欲しいという仕事の依頼。
行く先は旗本岡倉美作守恒彰の屋敷、八百両を上回る借金の取立てだった。

磐音は町人髷に髪を結い直してもらい着物も真新しい羽織袴を着せられて、出来栄えに満足気なおこんに見送られ由蔵と今津屋を後にする。


酒好き遊び好きの自堕落な旗本はその放蕩ぶりが高じて降格され、今津屋に多額の借財がある。
しかし甲府勤番の命を受け支度金が出たということで、磐音は借金取立てのいわば用心棒なのだった。

旗本相手の用心棒。
身分と人柄は、この時代もけして等しいとは言えないのだ。


旗本屋敷では甲府勤番を前にして性懲りもなく酒盛りの真っ最中。
そこへ祝いの品を手に乗り込む二人。

由蔵はあくまで丁寧に、まずは祝いの言葉からやんわりと両替屋の仕事に取り掛かる。
だが、「祝いの席に借金の話など無粋な奴め」と自らの非を棚に上げ、旗本岡倉は酒に酔いくらったまま槍を手に脅しの舞を始めた。

「岡倉様、お相手つかまつる」

横合いから静かな声が掛けられる。もちろん磐音だ。
商人姿で丸腰だが、酔いに足元の覚束無い旗本などその敵ではない。
眼前に突き付けられた槍の穂先を片手で止め直参旗本をすっ転ばす爽快さ!

いくらかの取立てを済ませ帰路に着く二人は竹林で待ち伏せに遭う。
素手で刺客達を叩き伏せる磐音。
剣を持っていなくとも、敵の力と勢いを利した体術で決着はあっという間だった。

岡倉が甲府に向かうまで何事もないとは思えない。
今津屋吉右衛門の求めに応じ、磐音は貧乏御家人の友・柳次郎とともに今津屋の用心棒を勤めることになる。


長屋に戻った磐音は幸吉の様子を気にしている。
おそめの家では夫婦喧嘩が始まり、相も変わらず賑やかな住人たち。
そんな中磐音を待っていたのは思いもよらない客だった。

上野伊織は磐音たちが江戸で開いていた修学会の同士だった。
藩改革を目指し共に未来への希望に燃えて帰国した三人の絆を断ち切り、二人の命さえも奪ったあの事件。
その裏に潜んでいる、大きな闇があるという。

「磐音、やるべき事をやろう」
「少し時間をくれぬか。考えたい」

磐音は伊織の推測にいくばくかの真実を見たのだろうか。
まだ癒えることのない心を抱え。

立ち上がって天を仰ぎ障子に寄りかかる。
拳を握り締め歯を食い縛る。
それでも漏れる苦しげな声。

ふと気付いて見やった戸口には幸吉とおそめの姿が。
いつもの磐音とあまりに違うのを案じているのだ。

「おまえたちこそ大丈夫か」
二人の言葉に答える磐音の表情が、あたたかくて優しくて、切なくて、辛い。


今津屋から聞かされたのは、関前藩の隠された多額の借財。
伊織の言葉が真実味を帯びてくるのだった。


心の内は乱れているのだろうに、家出中のおきねを訪ねて優しく説得する磐音。

おきねが話してくれた父との思い出。
大家親子と同じく、この二人もまた互いを想い合っているのだ。


今津屋の店先では、旗本岡倉の仲間達がまたも立場を傘に着て強請りたかりの揉め事を起こしている。

貧しくとも揺らがない、まっすぐな柳次郎の気概。
たとえ北割下水の破れ長屋に暮らしていても、その志は高い。
それを鼻で笑う旗本たち。

「お相手しましょう。 由蔵どの、店先を汚す。許されよ」

磐音の柔らかでいて実は物騒な物言いに少々腰が引けている直参旗本ども。
なんとも嬉しげなのは由蔵だ。
「この方は神田三崎町直心影流佐々木玲圓先生の元で目録を
…」
まるで自分の手柄ででもあるかのような自慢気な言い草が楽しい。

岡倉たちの卑怯千万な振る舞いに憤る柳次郎。
共にいる磐音の眼差しはあたたかい。

「武士の名に相応しい生き方をしましょうぞ」
心栄えがいいと由蔵に褒められるのも無理はない。
剣の腕はずいぶん開きがあるけれど、二人の正義は同じのようだ。


夕刻、今津屋に投げ文によってもたらされたのは、柳次郎と由蔵が捕らえられた事、磐音に千両を持ち一人で来るようにとの旗本からの指図だった。
武士の風上にもおけぬとはこの事か。

案の定、多勢に無勢。

「情けない…それでも直参旗本か!」
人質を取り、あまつさえ刀を置けという岡倉を前にして、静かに両刀を置いた磐音の目が哀しげに伏せられた、その時!
磐音の怒りが燃え上がる!
おこんの機転もあって二人を無事に取り戻す事が出来たのだった。


今津屋からの礼金はなんと「金二十五両」
柳次郎にはおそらく三両ほどかと…


品川家にやって来た磐音が「今津屋さんから手間賃と見舞いです」と差し出したのは二十五両。
驚き喜ぶ品川親子。
武士の在りようを腐った旗本どもに説き、柳次郎は余分に痛い目にあっているのだ。
そんな自分に対する磐音の気遣いを柳次郎もまた察しているのだろう。


長屋に戻った磐音におきねが顔を見せ、幸吉は「寝坊するなよ!」と長屋暮らしの師匠として釘を刺す。

「はい」
微笑んで答える磐音は、穏やかな風貌に凄腕の剣技を秘めた、両替屋行事今津屋にさえ一目置かれるひとりの浪人。
捨てて来たはずの藩を思うその心は誰よりも優しくてあたたかい。




四話「策謀」
少しずつ、関前藩に溜まった澱みが見えてきました!

今回も見所がたくさんありましたが、なんといっても岡倉美作守恒彰様の悪っぷりに座布団一枚差し上げたい(●^o^●)

原作を読み返してみると、台詞はほとんどそのままなんですけど、あの根性の悪さは素晴らしかったです♪

それから由蔵と吉右衛門の間柄がしっくりしてきたように思います。
由蔵の懐の深い商人っぽさもよく出てますし、これからお艶さん絡みで磐音とこの今津屋主従がたくさん見られるといいなと思います。

柳次郎の真っ直ぐさも爽やかで、どてらの金兵衛さんの娘を思う父の顔にホロリとさせられ、宮戸川の親方はやっぱりカッコイイ!

もう一人、幾代さんです。
うわぁ~めちゃくちゃぴったりじゃないですか!
まさに品川家の母上。
お会いしたい♪

そして、山本磐音の表情にはいつも参ります。降参です☆
幸吉たちに気付き振り返る。その表情。
二人に向けた笑顔といったら…言葉になりません。
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by aquadrops | 2007-08-30 16:24 | TV | Comments(2)

空の色・光の華

土曜日の夜はわが町の花火大会。

夕方日が落ちる前にレジャーシートとダンナの作った焼きソバを持っててくてく歩いて出掛けました。
小さな町だけど、花火が上がるため池は兵庫県一の大きさです。
池の端に陣取ると、水面を渡ってきた風が涼しくて気持ちいい!
歩いて火照った顔を冷ましながら、暮れなずむ水辺の風景をのんびり眺めて花火を待つ時間もいいものです。

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刻々と移り変わる空の色があまりに綺麗なので、プチカメラマンにへんし~ん!
夕陽が沈む間際の残照と夜の色に染まりゆく空を切り取ってみました (●^o^●)
いかがですか?


さて花火大会は日が落ちた7時半きっかりに始まりました。
大阪のPLや神戸の花火大会より規模はかなり小さめですが、何しろ目の前で上がるので迫力満点!
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そしてなんといっても水上スターマインが目玉です。
この花火、向こう岸から水面に向けて打ちあげられた花火が緩く弧を描いて水面で破裂するというもの。
上空で見るよりとにかく目の前だし、水面に咲く光の花のようでとっても綺麗です。

仕掛け花火「ナイアガラの滝」もあったのですが、風下のため煙が全部こちらへ流れてきて辺りは真っ白に!
煙の向こうに滝が隠れてしまって全く見えず残念でした。


出店もたくさん!
いい匂いがしてます(^・^)
私はりんご飴を買いました。
あま~い!でも懐かしくて美味しかった♪
町の自治会や婦人会の出店は食べ物も飲み物も安くて美味しいので人だかりが出来てました。

女の子たちの可愛い浴衣姿は目の保養♪
キレイに髪をアップにしてる子もいました。
派手な帯飾りよりも、衿の袷や帯の位置がすっきりしていると印象に残ります。
そういえば男の子の浴衣も増えてきましたね!
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by aquadrops | 2007-08-14 18:06 | Monologue | Comments(2)

「今の姿の方が何倍も艶やかで美しゅうござる」

磐音の言葉はなぜこんなにも胸に沁みるのだろう。


命を狙われているのだと、磐音を不寝番の用心棒に雇ったのは継ぎだらけの着物を纏った薄汚れた老婆。

つっけんどんな態度と上目遣いに値踏みするような目。
磐音の暮らしぶりを探る用心深さの裏に潜んでいたのは、隠し切れない怯えと…父を想う一人の娘の命を懸けた覚悟だった。


第3話『謎の女』


隙間風の入る粗末な離れで一晩、老婆の命を狙う何者かを待ち受ける。
夕餉付きで300文の用心棒を磐音は文句も言わず淡々とこなす。
老婆の出す夕餉を「うまい」と喜び、夜更けや早朝ひとり剣を抜き打つ。
空気を切り裂く刃金の音だけが響く無心な稽古。

老婆・おとくは、宮戸川の鰻屋や長屋の住人たちから知り得た磐音の慎ましく穏やかな暮らしぶりと、一介の浪人に向けるには何故だか大きい人々の信の情に何を思ったのか。


おとくは。
6年前手下の裏切りで獄門台に登った押し込み強盗、霜夜の鯛造の娘だった。

おとくの父鯛造を頭とした一味が狙ったのは大店ばかり。
奉公人に気付かれぬようその店の主のみを脅し、有り金の半分だけを盗む。
刃物も使わず誰も傷付けない、一風変わった信念を貫く昔気質の盗人。
そんな鯛造一味が捕まったのは、手下であったはずの野晒しの仲蔵の密告、裏切りのせいだった。
盗んだ大金の在り処も吐かずただひとえに娘の身を案じて獄門台の露と消えた父。

仇討ちを誓い老婆に扮して機を待ち続けた5年と5ヶ月後。
娘・おとくが磐音と出会ったのは、その覚悟を成就させる間際だったのだ。


磐音の力添えと南町奉行所笹塚与力の許しを得て、仇討ちを遂げたおとくと史吉。
二人を前に微笑む磐音の優しい顔。
「おとく殿、よう辛抱なされた」
まるで今までの辛い日々を癒すかのような言葉。

29歳だというおとくの、涙に濡れる素顔を見詰めて磐音は言う。
「おばば殿の姿より、今の姿の方が何倍も艶やかで美しゅうござる」

おとくにとって、何より嬉しい褒め言葉だったに違いない。





「謎の女」面白かったですね。

おとく役・岩崎ひろみさんは歌手の方かと思ったら違ってました(^_^;)
クリクリした目が可愛らしい女優さんでした。

今回も見所がたくさんありました!

金兵衛さんとおこんさんはいい雰囲気ですねぇ。
金兵衛さんの優しい目がとっても好きです。
あんなお父さんがいたらいいな。

しかし本当に面白いキャラクターになってます。
鯛造一味が盗んだ金が四千両と聞いて、声がひっくり返る金兵衛さん(^v^)
笹塚様に真剣なまなざしを向けていた山本磐音はちょっと口元が笑ってますよ☆
すぐに真面目な顔に戻ってますけど…

柳次郎と朝湯を楽しむ磐音。
胸筋と肩から腕のラインが男っぽくていいです♪
でも耕史くんは新選組!の時より随分痩せましたね。
新選組!の時はちょっと鍛え過ぎてマッチョでしたから、今はちょうどいい位なんじゃないでしょうか?

おとくに仕事を説明された時の「あいわかった」
丁寧な口調が磐音らしくて好きです。

直心影流・佐々木先生はイメージぴったりでしたね!
道場での稽古は見応えがありました。
激しい動き、打ち合う木刀。
着流しなので裾が肌蹴すぎてちょっと見てて照れました(>_<)
胴着に着替えればいいのに、なんて思っちゃいましたけど。

道場で久しぶりに顔を合わせた関前の藩士。
藩を覆うまだ姿の見えない影、付き纏う不安を耳にします。
長屋に泥棒が入ったことからも、知らぬ間に関前と繋がっているのかもしれない磐音の今。


おとくの家の離れで仕事につく磐音。
夕焼けの色に重なる彼岸花の緋色。

金色の夕陽が差し込む小屋の中、おとくの心尽くしの膳を前に嬉しそう。
丁寧に手を合わせ、美味しそうに食べる様子が子供のようで可愛いです。

綺麗に洗ってある器を見て、ほころぶおとくの顔がいいですね。

おきねの仕事場、矢場の「金的銀的」にやってくる磐音。
お客に愛想を振りまいている所を見られて恥ずかしそうなおきねがかわいい。

矢を番える磐音の凛々しい顔。
ちょっと土方さんを思い出しました。
薩摩藩士を狙い銃を構える副長の眼光鋭い目と同じだった!
でも、矢はすぐそこにポトリ!
照れ笑いの磐音とあっけに取られるおきねたちの表情が可笑しいです。

「あんたはいつもそうやってにこにこしているね」
そう言ったおとくはどんな気持ちだったのかな。
決死の覚悟を胸に秘めて長い間老婆に身をやつしていたのはきっと辛かっただろうな。
いつも穏やかで人当たりのいい磐音が平和そのものに見えたのかもしれませんね。

でもそんな磐音の心の奥には奈緒がいます。
「これは確かに奈緒の筆です」
大切そうにそっと手にしている奈緒からの文。
頷くおこんは安心したように笑みます。
でもやっぱり辛いんですね。
部屋を出たおこんの目に滲む涙。切ないです…

手紙を読む磐音の目もちょっと潤んでいるように見えました。

お艶さんとおこんのシーンは特別な印象を受けます。
そこだけ時間がゆったりと流れて、空気が清く澄んでいるような気がします。
お艶さんの声のせいなのかなぁ。

夜更けに振るう剣の冴え。
奈緒への想いを昇華しているように見えました。


深夜やって来た裏切り者野晒しの仲蔵を前に娘の姿に戻ったおとく。
出ました~!居眠り剣法☆ミ
そして剣をおとくに差し出す磐音。
おとくは見事に仇討ちを果たします。

「これからは笑って生きなされ」
傷付き疲れたおとくの心に沁み入るだろう明るい言葉。
おとくの未来を照らす標になるかもしれませんね。


一件落着した次の日の朝。
橋の上でちらりと磐音に目をやり奈緒の事を聞くおこん。
聞き返されて、思わず問いを打ち消してしまいます。
女心です(#^.^#)
でもいつもの明るい二人です。
切なくてあったかいいいシーンでしたね。


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さて、写真は「陽炎の辻サントラ」とエンディングの新妻聖子さんの歌「愛をとめないで」です。
ここしばらく、このCDばかり聞いています ♪
気に入っています。
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by aquadrops | 2007-08-09 00:09 | TV | Comments(6)