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ヘドウィグがくれたもの(ネタバレあります)

24・25と二日間大阪に通い、3公演観てきました。
ロックミュージカル  『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』

そして頭の中はヘドウィグ一色…

昨日仕事が一段落してホッとした時に、突然何の前触れもなく目に浮かんできたのは、ラストの、額に銀の十字を書いた姿。
なんだか堪らない気持ちになりました。危うく涙が出そうに…
自分でも訳がわからない感情って始末が悪いです。
慌てて気持ちを切り替えました。

変ですね。
昨日も一昨日も満ち足りた幸せな気持ちで舞台を観終わったのに。
なんでこんな気持ちになるんだろう。
ヘドウィグの心はあとからじんわり染み込んでくるのかな。


アンコールやアドリブや、ちょっとした表情などいろいろ書きたいことはあるのですけど、今は細かい事はあとまわし。



まず歌について。
静かなバラードのメロディラインの美しさ。
「THE ORIGIN OF LOVE」
なんて綺麗なイントロ。
耕史くんも一番好きな曲だと言っていましたね。

明るいポップな曲のキュートなこと。
「SUGAR DADDY」「WIG IN A BOX」
楽しい曲もですがダンスが可愛くていい!

哀しく切ない曲。
「WICKED LITTLE TOWN」
ヘドウィグの歌も好きだけどトミーの歌が胸にきます。

辛い経験を笑い飛ばす激しい曲。
「TEAR ME DOWN」 「THE ANGRY INCH」「EXQUISITE CORPSE」
スタンディング!手拍子!パワー! 

ラスト
「MIDNIGHT RADIO」
静かなイントロから徐々に激しく、響きわたる歌声の迫力!
身体が自然に揺れて、次々に、『Lift Up Your Hands!! 』
会場が一体になった曲。

歌って凄い。
言葉がわからなくても、表情や仕草、何より歌声に込められた気持ちがしっかり伝わってくる、魂からの響き。
そんな感じでした。


ヘドウィグは可愛かった。
力強くて繊細で優しかった。
そしてお茶目でチャーミングでしたね。
女性でもあんな人はなかなかいません。


それにしてもキレイなカラダしてますよね~(*^v^*)
まるで芸術作品みたい♪

あの皮の短パン一丁にブーツ姿、ライトの光を浴びて発光しているようでした。
「神々しい」と観た多くの人が言っていますけど、まさにそう。
いやらしさは全くなくて性別を越えたもの。
耕史くん自らが本来持つ魅力の一部が壁を取っ払って開放されたような感じ。
傷付き疲れても、それを埋め尽くすほどの。


もうひとつ、共存する透明感とセクシーさ。
いつも前を向いて自分を叱咤し追い詰め、より一層輝こうと高みを目指して飛び続ける
~耕史くんのそんな姿勢がラストの透明感に繋がっているのかもしれない。
そして、品のある色気が耕史くんのヘドウィグにはありましたね。



川向こうのチャンピオンスタジアム(でしたっけ?)から流れてくるトミーの歌声と言葉に心揺さぶられそんな自分を卑下してみても、心の中には愛がいっぱい溢れている…

自分をさらけ出す勇気は男らしく、突き放すそぶりを見せてあたたかく包み込む優しさは女性のようだったヘドウィグ。
本当は孤独に淋しい心を片隅に抱えているのに…

探し続ける「魂のカタワレ」をまだ見付け出せない、夢であるロックスターになったわけでもない。
それなのに、幸せな気持ちと元気をくれたヘドウィグでした。

終わってしまった。
もうヘドウィグに会えないのかな。
なんだか淋しい。



もうひとつ、
やはり私は舞台に立つ山本耕史が大好きなんだと自分で呆れるほど思い知った二日間でした。

by aquadrops | 2007-03-28 00:27 | Stage